科目名
(英訳)
超伝導・電子物性
Superconductivity in Solid State Physics
標準履修年次 4 単位数 1.5
科目番号 開設曜時限 実施学期 担当教官名 研究室 電話
FF46171 (物性工学)木2春学期門脇和男3F5265291

授業概要

物理学だけでなく工学的にも重要な位置を占めている超伝導の基礎からエレクトロニクスへの応用までを外観し、大学院でのより本格的な講義「磁性・超伝導」への導入とする。

授業内容

1.歴史的概観
超伝導の発見からBCS理論、重い電子系、高温超伝導体、鉄系や有機超伝導体、FET超伝導など超伝導現象の多様性を概観する。
2.種々の超伝導物質
元素、化合物、有機物、層状性物質、希土類、ウランなどを含む超伝導体、銅酸化物超伝導体、強誘電性を示す物質の超伝導、磁性超伝導体、その他の様々な超伝導物質の例を通して様々な物質での超伝導の特徴を学ぶ。
3.超伝導の性質
ゼロ抵抗現象、マイスナー効果、ジョセフソン効果、同位体効果、熱力学的な諸性質、磁束状態など。
4.超伝導状態を記述する理論
古典論の破綻とロンドン理論、GL理論、BCS理論、高温超伝導体の理論
5.トンネル現象とジョセフソン効果
電子および、電子対(Cooper pair)のトンネル現象、2つの(直流・交流)ジョセフソン効果
6.高温超伝導体
銅酸化物の特性と超伝導の発現、電子相図、特殊な磁束状態、固有ジョセフソン接合
7.超伝導プラズマ
表面抵抗、ジョセフソンプラズマ励起と共鳴現象、THzレーザー発振現象
8.新しい超伝導物質
絶縁体と超伝導の関係、磁性と超伝導の関係など

成績評価規準

講義の内容からレポートを課し、出席状況を考慮して最終評価とする。

試験日程予定

教科書

特に定めないが、いくつかの参考書をあげる。
1.中嶋貞雄著、「超伝導入門」(振物理学シリーズ9)培風館
2.Tinkham, ”Introduction to Superconductivity”, 2nd edition, Dover(青木・門脇訳「超伝導入門」(物理学叢書)吉岡書店)
3.青木秀夫著、「超伝導入門」(物性科学シリーズ)裳華房
ほか

学習上の注意

超伝導は自然現象の中でも量子効果が巨視的なスケールで発現するまれに見る現象であり、内容はきわめて深淵である。過去、1世紀に渡る超伝導研究の歴史は超伝導現象が如何に興味深く、しかし解決の困難な現象であるかを物語っている。特に、高温超伝導現象は未だ完全に解決されているわけではなく、現代物理学において最も重要な研究領域を形成している。このような問題に果敢に挑戦し問題の解決を図るためには系統的な現象へのアプローチと鋭い洞察力が必要不可欠である。これを養うためには超伝導の基礎的な概念を深く理解することが必要不可欠である。また、過去にとらわれない自由な発想もまた必須である。この講義では単なる過去の知識の勉強ではなく、現在、超伝の導研究が抱える重要な問題を意識した内容であることを十分理解して講義に臨むことが望ましい。

履修上の注意

物理学の基本的な素養である力学、電磁気学、量子力学、固体物理学、熱力学、統計物理学、線形代数、物理数学等を履修していることを前提とする。