高速デバイス材料の瞬間的な状態を可視化する走査電子顕微鏡技術を開発 藤田教授ら

本研究グループでは、この課題に対して、走査電子顕微鏡(SEM)とフェムト(1000兆分の1)秒レーザーを組み合わせ、デバイス材料内の電位変化を高い時間分解能で計測する手法を開発しました。

これを用いて、半導体GaAs(ガリウムヒ素)基板上に形成した光伝導アンテナデバイス上の金属電極周囲の電位変化を計測し、43 ピコ秒(1ピコ秒=1兆分の1秒)の時間分解能でSEM画像として観察することに成功しました。これは5G通信でよく使われる周波数帯よりも広い23 GHzの帯域で電気回路の性能を測定できることに相当します。

 本技術により、電位が動的に変化するようなデバイス構造において、任意の点の電位変化を、非接触で高速、かつ立体的に計測することが可能となり、次世代デバイス開発のための重要な計測ツールとして貢献すると期待されます。