薄膜生成時の枝分かれ現象を、トポロジー・物理・AIの融合で解明 三俣教授ら
Beyond 5G の実現に向けて、現世代の 5G よりも一桁以上高いテラヘルツ(THz)周波数帯で動作する電荷移動度の高いデバイスが求められています。そこで現在、次世代電子デバイスに使用する極微細なトランジスタ材料等の作成方法の開発、および構造・機能の解析が広くおこなわれています。基板上に生成される薄膜は、枝分かれをするように広がって成長します。こうした枝分かれ構造は、厚さが不均一になったり、凹凸ができたりする原因となり、その品質に影響を与える大きな障害となっていました。
本研究では、薄膜生成時に見られる樹枝状(枝分かれ)の成長過程にフォーカスしました。数学的なトポロジーの概念と、物理的な自由エネルギーを融合させ、さらに機械学習を組み合わせて解析しました。その結果、薄膜生成時における樹枝状組織と成膜プロセスのリンクを構築し、枝分かれ現象のメカニズムを明らかにすることができました。
本研究成果は、Beyond 5G の実現に向けた高品質な薄膜作製に役立つだけでなく、数学、物理、AI を組み合わせた、新しい自由エネルギーモデルを開拓した点でも画期的なものです。