単一放射線粒子の位置検出器を開発 奥村准教授ら
シリコン(Si)半導体は、私たちの身の回りでたくさん使われていますが、高い線量の放射線に曝される環境では、特性劣化や誤動作、故障を引き起こすため、長期利用が困難です。そのため、高エネルギー加速器を用いた素粒子実験や、原子炉の格納容器内部での使用、長期間の月面探査といった場面では、新たな材料開発が必要になります。
高放射線環境で長寿命動作できる材料として、原子の結合が強いワイドギャップ半導体があります。中でも窒化ガリウム(GaN)は、青色LEDや高周波パワー素子に使われています。しかしながら、素粒子実験における粒子の2次元位置検出において、これまで、GaN半導体を検出器に用いた例はありませんでした。
奥村准教授と廣瀬助教らは、ピクセルサイズ100µmの縦型GaN放射線検出器を作製し、単一のα粒子およびキセノン(Xe)重粒子の位置をリアルタイムで検出することに成功しました。この検出器は、Siを用いたものと比べて約10倍の放射線量でも動作できます。また、GaNは大面積かつ高品質な試料が入手可能であることから、実用性にも優れていると言えます。
本研究成果により、高放射線環境でも粒子線の2次元位置検出が可能になりました。この技術は、高エネルギー加速器、宇宙開発、原子力発電所、放射線医療分野への貢献が期待されます。


