Vol.8 櫛田 創

Q 研究テーマを教えてください
光と物質の相互作用の研究を行っています!特に様々な光学現象を介して、光のエネルギーがどのような時空間のスケールで移り変わってくかという点を突き詰めています。
Q 研究の内容と、研究の魅力を教えてください。
合わせ鏡の中に沢山の分子を詰め込むと、その分子の振動と合わせ鏡の中に閉じ込められた光が強く相互作用して、光と物質の混成粒子であるポラリトンと呼ばれるものが形成されることが知られています。この分子振動ポラリトンは超電導体のようなボーズアインシュタイン凝縮を室温で起こすことができると予測されていて新たな量子材料として期待されているのですが、まだ実現されていません。僕はその分子振動ポラリトン凝縮という未到の物理現象の実現に向けて研究を進めています!
また、光の性質をうまく使って、人間の目では到底見ることの出来ない時間スケール(1秒の10兆分の1)で動く小さいものの動きを追うことで種々の現象を理解するといった研究も同時に行っています。
これらの研究の魅力は、人間が感知できる時間よりも何億倍も小さな時間や空間スケールで起きている現象を見ているので、しばしば自分の感覚とは異なった現象を目の当たりにできることです!
そしてそこには様々な可能性が秘められています!例えば、1ピコ秒も1ナノ秒も人間の目からすると一瞬に過ぎませんが、そこには1000倍の差があり、結果として効率が飛躍的に変化するなんてことも起こりえます!
そんなワクワクに溢れた夢のある分野だと思って研究を進めています。

Q 応用理工学類/サブプログラムのアピールポイントを教えてください。
応用理工では物理学を中心に化学や生物学など幅広く学べるところにあると思います。特に高校までの理系科目と大学で学ぶこれらは大きく異なるので、入った後でも研究や将来の方向性をシフトしやすい点が魅力的だと思います。また、研究者になる人材を育てることに重きを置いているので研究者になりたい人にはもってこいの学類だと思います。
Q 日常生活ではどんなことを心がけていますか?
研究に入れ込みすぎないこと。研究は(特に僕の場合は)9割型うまくいきません。なので日頃の機嫌が研究に依存していると人生の1割しかハッピーな時がないことになります。大事なのは仕事も趣味も何でも、人生の一部以上でも以下でもないと捉えることだと思います!だから仕事以外にも自分の中で楽しい事をたくさん持っておくことが大事だと思っています!
Q 研究以外で熱中していることを教えてください。
サッカー・釣り・キャンプやうどん打ちなどが趣味です!
Q 最後に学生へのメッセージをお願いします
応用理工学類に限らず、大学はやりたいことを実現できる場であると同時に、何もしなければ何もなく終わる場所でもあると思います。そして日々の積み重ねだけが糧としてその後の人生に残っていきます。心に何かやりたいことを秘めているなら、とにかく行動を起こして今しかできないことを楽しみましょう!
